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2021.01.25

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バリアフリーの先取りは失敗する!?シニアが運動しやすい健康な家とは

やるべき仕事があって、趣味にもいそがしい。今どきのシニアの方々はとても元気です。もちろん体力は若い世代にかなわないとしても、普段生活する中で手助けが必要なほどではない。そんな世代にとってバリアフリーはどんなものなのでしょうか?

また、新型コロナウイルスが世界を震撼させている現在、高齢者の運動不足も問題になっています。そんな高齢者が運動しやすい家とは、どのようなものでしょうか。今日はバリアフリーによくある失敗例や、正しいバリアフリーのコツなどについて紹介します。

1.シニアの運動が重要視されている

2020年から流行がはじまってしまった新型コロナウイルス。これにより政府あるいは都道府県からも外出自粛のお願いがされており、なかなか外に出れない高齢者の過多が増えています。外出ができないということは、歩いたりランニングをしたりする機会が奪われてしまうことにもなります。いま、高齢者の運動不足が問題になっているのです。


1-1.新型コロナウイルスによる運動機能の低下

国立長寿医療研究センターによると、外出自粛によって高齢者の運動不足が懸念されていることが分かりました。外出を自粛することで体調不良を起こす人が増え、老年内科を受診したい人が増えているのです。

老年内科外来の図

高齢者の運動量が減少すると、筋肉の量や骨密度が衰え、あっという間に介護を必要とする状況にもつながってしまいます。このように介護が必要な状況の手前である状態は「フレイル(虚弱)」と呼ばれ、新型コロナウイルスをきっかけにフレイルの状態にある老人が増えています。外出自粛中であっても、高齢者が体を動かすことはとても大切なのです。


1-2.外に出れないなら家で運動するしかない!?

なかなか外に出ることができないのなら、家で適度な運動をするしかありません。高齢者の場合は「のぼる、またぐ、くぐる」といった動作だけでも何気ない運動になるため、意識して体を動かすことが大切です。

例えば

  • 階段を上り下りする
  • 縁台から庭へ降りる際に、またいだり上ったりして筋力をつける
  • 草むしりをして足腰を鍛える など

日常に置いてこうした行動を意識して行えば、多少の運動にもなります。しかし、安全性を考慮しすぎてバリアフリーを進めてしまうと、高齢者が家のなかで運動できないことにもつながります。

参照 https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/07.html

2.先取りのバリアフリーは失敗する!?

バリアフリーは高齢者や障害のある方が住みやすいようにする建築方法であり、さほど悪いイメージはありません。自治体などの補助が受けられるケースも多いため「とりあえずバリアフリー化をしよう」と先取りする人も多いです。

しかし、実際に利用者のことを考えずにバリアフリー化すると、失敗してしまう例も多いのです。ここからは、バリアフリー化において見られる失敗例を見ていきましょう。

以下参照https://www.refonavi.or.jp/article/special/barrierfree/

2-1.失敗例その1、手すりをとりあえずつけてしまった

バリアフリーの基本となるのは手すりです。そのため60歳を過ぎた時点で「とりあえずお風呂場やトイレ、廊下などに手すりをつけておこう」と実行する人が少なくありません。しかし早めに手すりをつけたせいで次のような失敗もよく聞かれます。

  • 実際に使う高齢者の手に手すりの幅が合わず、使いにくい
  • 実際に使う人の身長に合っておらず、あまり意味がない
  • 狭いトイレに良かれと思って手すりをつけたら、トイレの幅が狭くなり、手すりに体をぶつけてしまう

手すりはここに設置すればよいといった決まりはなく、使う人に合わせてつけることが重要です。「とりあえず安全のために先取りをして付けておこう」という行動は、失敗にも繋がるので注意しましょう。 


 

2-2.失敗例その2、車いす用のスロープをつけておいた

家を丸ごとリフォームする場合などは、老後を考えて玄関先にスロープをつける人も少なくありません。一見とても良い心がけに見えるのですが、車いす用のリフォームはあまり意味がない場合も多いです。

  • 体調を崩してからすぐに老人ホームに入ったため、結局車椅子を使うことがなかった
  • スロープをつけたせいで雨の日に床が滑り、かえって危険になった
  • スロープが急勾配で、結局車椅子では上がることができない

車椅子用のバリアフリーは多いのですが、実際に車椅子を使う人が試さないと、なかなか機能しないこともあります。また車椅子用に段差をなくし、床の高さを低くするケースもありますが、これにより地面と床下の高さが足りず、年間を通じてカビが生えやすいといったトラブルも多いのです。

https://note.com/shinkenchikusha/n/n161cc2acbee1

2-3.失敗例その3.階段にリフトをつけた

階段のリフトは、体が不自由な方が椅子に座り、自動的に階段の上り下りをサポートしてくれる機械です。もしもの時を考えてリフトを取り付ける人も多いのですが、高齢者が足腰を鍛えるため、結局リフトは使わなかったという家も多いのです。

またリフトは機械なので点検費用もかかります。必ずメンテナンスをしないと安全に使うこともできないので、点検費用もバカになりません。

リフトの設置はおよそ1日で完成することがほとんどです。そのため、利用者が本当に望んだときに工事をお願いすれば十分でしょう。


3.バリアフリーは段階的に考えたほうが良い

このような失敗例を見ていくと「とりあえず先に設置しておく」という行動が良くないともいえます。先取りしたバリアフリーは思いやりのある行動にも見えますが、実は利用者の行動に合っていないということも多いのです。

特に車椅子用のバリアフリーや階段のリフトといった大きなリフォームには注意が必要です。利用する人が本当に必要なのかどうかを話し合い、必要なリフォームを段階的に行った方が良いでしょう。


3-1.運動できるようなバリアフリー化も考える

そして高齢者の体を本当に考えるのなら、あまりにも充実したサポートがあるのも疑問です。

例えば階段の上り下りは高齢者にとって危険ともいえますが、足腰を鍛えるにはとても良い運動になります。ある家では、母親の足腰を心配した息子が階段にリフトを取り付け、階段の上り下りをしなくても良いリフォームを施しました。するとはじめは「楽になった」と母親も喜んでいましたが、まったく階段を上らなくなったことからさらに足腰が弱り、あっという間に入院してしまったそうです。

バリアフリー化が悪いということではないものの、バリアフリーが体を動かさない要因になってしまうのも問題です。利用する人の体調や行動を把握し、できることと出来ないことを考えたうえでバリアフリーを設置していきましょう。

3-2.バリアフリーの実績がある業者を選ぼう

家をバリアフリー化する際、手すりなどは自分で設置できても、スロープの段差をなくすといった工事は業者に委託することになります。多くのリフォーム会社がバリアフリーの工事に対応していますが、経験がある業者とそうでない業者には違いがあります。

例えば バリアフリーリフォームは、自治体の助成制度や、介護保険の住宅改修助成制度を利用できることもあります。バリアフリーの経験が豊富な業者の場合、こうした制度の利用に関しても紹介してくれるでしょう。しかし全く経験がない業者の場合、自社の費用だけを請求してくるケースもあります。そのようなことがないよう、なるべくバリアフリーに関する知識と経験がある業者を選ぶことが大切です。

4.まとめ

子供の立場としては、親の将来を見据えて手すりやスロープを付けておきたいと考えるかもしれません。しかし、老化のスピードや、不調になる箇所は個人によって違いがあります。本人にとって本当に役に立つバリアフリーにしたいのなら、用途に合わせて段階的にバリアフリー化をした方が良いのです。

また、あまりに先回りのサポートはシニアの運動を奪いかねません。家のサポートは、将来手すりやスロープ付けられるようにベースをつくっておく程度にし、いつまでも元気でいられるよう、運動のサポートも行っていきましょう。

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