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家に使われている木材の種類とは?針葉樹と広葉樹それぞれの特徴
日本の伝統的な建築方法といえば木造軸組工法です。木材でできた家はそれだけで温かみがあり、木のぬくもりを感じられることから人気があります。
そんな木材を使い家を建てる事を決めたなら、ホームセンターの木材コーナーに行ってみる事をお勧めします。そこにはさまざまな大きさ、色、硬さ、国産、輸入の木材があります。それぞれの大きさ、価格、手触りを感じることで、今までとは違う視点で家づくりに取り組めるかもしれません。
今回は、家作りに使われている木材種類の紹介と、針葉樹と広葉樹の違い、そして家を建てるうえでの木材選びのポイントについて紹介します。
1.家の木材は何の木が使われている?
家づくりにはコンクリート住宅・軽量プレハブ工法などがありますが、昔から日本人にとって馴染みのある工法は「木造軸組工法」です。
住宅の土台となる柱が太くて立派な木材であり、床板や天井板などの内装材、建具材にも木材は利用されています。
しかしそのような木材が何の木であったのか、あまり考えることはないでしょう。まずは家の木材として使われる代表的な木の種類について見ていきましょう。
1-1.代表的な木材はスギ
古くから日本の住宅を支えてきてくれたのがスギの木です。
スギは成長が非常に早いことから戦後に多くの植林が行われ、現在では日本の各地にスギの木があります。 国民病と呼ばれている花粉症の原因もスギですが、柔らかい木肌は加工がしやすく、住宅のさまざまな部分で活用されています。
とくにスギは強度があるため、柱や梁などの構造材、そして床板や天井板などの内装にも使われています。
1-2.高級木材として人気なヒノキ
「ヒノキ風呂」が有名な、柔らかい風合いと木の香りが楽しめるヒノキ。木造住宅のなかでもヒノキが使われている家は高級住宅と言われています。
ヒノキはスギと同じ広葉樹の仲間であり、頑丈であるため古くから建築に用いられてきました。しかしスギと比べると成長がゆっくりで、伐採まで時間が掛かることからコストが掛かります。
またカットされた木材の表面は美しくツヤがあり、独特の芳香を楽しめることから天然林のヒノキは高級な銘木として扱われています。芯材は耐朽性の高さもあり、耐水性もあることから水回りにも使われています。
1-3.ラマツやヒバの木
スギやヒノキ以外にも、カラマツやヒバの木も建築材として昔から利用されていました。
とくにヒバ材にはヒノキチオールという殺菌性に優れた精油分を含むことことから、耐久性に優れ独特の芳香を楽しむことができます。シロアリに対する強さはダントツであり、昔はヒバの木で住宅を建てることは一種のステータスと呼ばれていました。しかし現在では貯木量が減少し保護林として規制されています。
そしてカラマツは生育が早く、寒さや病害虫にも強いことから住宅用途に注目されている木材です。ただねじれ癖のある樹種なので、以前は加工するのが難しいと言われていました。現在では建築技術が進んだこともあり、カラマツも構造材・外壁材・デッキ材などに使われています。
2.家の木材は「針葉樹」と「広葉樹」に分けて考える
木には大きく分けて2種類あります。それは針葉樹と広葉樹です。
針葉樹は松の木やスギの木のように、まっすぐに伸びる長い木です。そして広葉樹はサクラの木のように、曲がって伸びるような木を言います。
住宅の木材に関していうと、 まっすぐ伸びる針葉樹は柱や梁に使われ、曲がって伸びる広葉樹は家具やフローリングに用いられています。
2-1.家の柱や梁は針葉樹
針葉樹の特徴
- 柔らかい
- 軽い
- まっすぐ伸びる
- 成長が早い
針葉樹は基本的に成長が早く、まっすぐ伸びるので、長い寸法が必要な家作りの材料になります。代表的な針葉樹は杉やヒノキ、カラマツ、ヒバなどが当てはまります。
2-2.家具やフローリングは広葉樹
広葉樹の特徴
- 硬い
- 重い
- 曲がって伸びる
- 成長が遅い
広葉樹は曲がりながら横に広がって伸びるので、家づくりに必要な柱や梁の材料には向いていません。しかしその固さを生かして家具や楽器など多方面で使うことができます。またゴルフクラブやウイスキーの樽、野球のバットも広葉樹から作られています。
2-3.針葉樹と広葉樹が誕生した理由
地球に初めに誕生した木は針葉樹が先と言われています。針葉樹はまっすぐに伸びるのが特徴的です。しかし効率よく光合成ができないという問題から、葉の表面積を広く進化させた広葉樹がのちに誕生したと言われています。
ちなみに針葉樹の種類は全部で500種類ほど。しかし広葉樹においてはなんと20万種類もあると言われています。
3.家の内装における木材選びのポイント
これから木造住宅を建てるにおいて、木材の種類をどうすべきか悩むこともあるでしょう。ただ柱や梁はすでに決められたものが使われることが多いので、よほどこだわりがない限り自分で選ぶことはできません。
しかしフローリングや内装の壁材を選ぶ際、木材を使う場合は自分で納得できる素材を選んだほうが良いです。ここからは、木材選びのポイントや、その種類について見ていきましょう。
3-1.無垢材か集成材、どちらを選ぶか
木材は「無垢材」と「集成材」の2種類があります。これら二つの違いは以下の通りです。
無垢材
丸太からそのまま切り出した素材。自然な木目などが楽しめ、木が持つ本来の調湿性能もある。アレルギー物質が少ないこともあり、乳幼児がいる家では無垢材を好む傾向がある。しかし集成材に比べると価格は高い |
集成材
小さく切った木材を接着剤などで貼り付け、成形したもの。 不要になった木材をつなげて使うこともできるため価格が安い。ただ安価なものはアレルギーなどのトラブルも起きやすく規格化された商品を選ぶことが重要 |
現在ではコストが安い集成材のほうが、住宅の多くで使われていることが多いです。施工しやすいこともあり、内装のインテリアやフローリングとして使われています。
ただ品質の高い無垢材は、耐久性があるため、長く住み続ける家にはピッタリです。価格が高いため家のすべてを無垢材にすることはほとんどありませんが、無垢材と集成材を使い分けて用いるケースが一般的です。それを踏まえたうえで、次は木材の具体的な種類について見ていきましょう。
3-2.ウォールナット
ウォールナットとは北米産の木材であり、世界三大銘木の一つです。クルミ科の広葉樹のであり、深みのある濃い色合いが楽しめる木材です。
日本のみならず世界中で使われている木材であり、フローリングやドアをはじめとしたインテリアの材料として人気があります。また時間が経つにつれ色合いが鮮やかに変化するのも特徴。美しい見た目と家具にふさわしい性質を兼ね備えています。
3-3.サクラ
サクラと聞くと日本人は綺麗な花を咲かせる木を思い浮かべますが、木材で使われる桜はアメリカンブラックチェリーやヤマザクラといった種類です。広葉樹でありながら断面が非常に滑らかなので、フローリング材として人気があるほか、食器などにも使われています。 サクラの種類によって色合いにもだいぶ違いがあり、年数を重ねるにつれツヤが増すのも特徴です。
3-4.ナラオーク
ナラオークは堅く、重厚感があり耐久性にとても優れた木材です。オーク材とも呼ばれており、日本のみならず世界で人気の高い樹種です。強い耐久性があることから欧米では昔からウイスキーの樽に使われています。
日本にもナラ材という北海道産の高級木材がありますが、ナラオークの場合は北アメリカ大陸で産出されたものが中心です。フローリングや家具など、幅広い用途で使われています。
3-5.パイン
名前だけを聞くとなんとなくパイナップルを連想しますが、パイン材は松の木から取られた木材です。
他の木材よりも白っぽい色合いが特徴であり、優しく温かみのある雰囲気の材質です。重厚な雰囲気ではないのでカントリー風の家具にピッタリ。また明るい色合いは部屋全体を明るくしてくれるので、子供部屋の家具などにも人気があります。パイン材は他の木材よりも加工しやすいため、フローリングをはじめ床材や壁材、家具など様々な場所で使われています。
4.さまざまな種類の木材を取り入れ 理想の家を作ろう
木材の種類は多種多様であり、住宅においても何種類かの木材が使われることが多いです。また家の雰囲気をバランス良く整えたい場合は、木材の種類を5~6種類使いわけると良いそうです。
家を支えてくれる木材は日本の住宅になくてはならない存在です。ぜひお気に入りの種類の木材を使い分け、 家のなかを明るくコーディネートしていきましょう。
全体参照
https://tennenmokuzai.com/column/139/
https://teoriawood.com/blog/014