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地球にやさしいエコ素材「コルクの床材」がとても優秀な理由
戸建ての住まいの1階では、インテリア性や、掃除のしやすさを念頭に置いて床材を選ぶ人がほとんどでしょう。しかし、2階の床材選びで問題になるのが音への配慮です。他人に迷惑をかけるわけではないから、と軽く考えていると後々家族の間でもストレスを抱えることになるかもしれません。
そのようなときに注目して欲しいのが「コルク」です。コルクはワインの栓といったイメージもありますが、実は床材として非常に優秀な素材です。今回はコルクのルーツや、床材としてのメリットについて詳しく紹介します。
- INDEX
1.そもそもコルクとは何でできているか
コルクは見た目的にも天然素材であるということが分かります。しかし、それがどのような素材からできているかは、あまり知られていないでしょう。
コルクは「コルクガシ」と呼ばれる木の樹皮からできています。樹皮を丁寧にはがし、加工した天然素材でできているものす。柔らかくて通気性があり、様々な加工用品として使われています。
1-1.イメージしやすいのはワインの栓
コルクはワインの栓として使われていることが多いです。コルクという名前を聞いて、ワインを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、なぜワインの栓にコルクが使われるのか、明確に答えられる人は少ないかもしれません。
ワインは空気に触れると酸化してしまい、味が劣化する特徴があります。、逆に空気に触れないように保存をすれば、熟成がうまくいってと香味が向上するメリットがあるのです。コルクは柔軟性、弾力性に富み、気体や液体を通さないという特徴があります。これにより液体を空気に触れさせることなく、腐敗させない効果が強いのです。そのため、コルクはワインの栓として17世紀には活用されるようになりました。
1-2.コルク栓は高級なイメージもある
ワインは最近になると、さらに気密性の高いスクリューキャップも使われています。しかし、ある調査で「コルク栓ワイン」と「スクリューキャップワイン」の試飲を実施したところ、多くの人がコルク栓ワインの方が美味しいと答えたのです。
もちろん、ワインの中身は一緒であり、科学的にはスクリューキャップの方が酸化を防ぐためうまみは増すという結果も出ています。それなのにコルク栓ワインを選ぶ人が多かったのは、コルクがワインの栓としてイメージが強いこと、古いワインほどコルク栓が使われている、というイメージがあるからです。
2.コルクは床材としても使える
コルクはワインの栓だけでなく、実にさまざまな商品として使われています。断熱性に優れているため、鍋敷きやコースター、壁材としても活躍しているのです。なかでも近年注目されているのが「床材」としての用途です。軽く、保温性の高いコルクは、多くの建築現場でも活用されています。では、ここからは床材におけるコルクのメリットについて見ていきましょう。
2-1.断熱性がある
コルクは、触ってもなんとなく分かるように、断熱性があります。金属は寒い時期になると外気の気温と同じように冷たくなりますが、コルクの場合は外気に関係なく、弾力性とともに保温性も高いのです。
コルクの内部には、目に見えないような小さな気泡が無数にあり、たくさんの空気を含んでいます。空気を含んでいるということは保温性もあり、床材にすることで冷たさを感じにくくさせます。真冬のフローリングでは、裸足で歩くとかなり足裏が冷えてしまうでしょう。しかし、コルクなら空気を含む分断熱性が高く、裸足で歩いても足が冷えにくいというメリットがあります。
2-2.滑りにくく安全性が高い
コルクには「防滑性」があり、滑りにくいという特徴があります。そのため、保育園や児童館などでも床材にコルクが用いられている施設は多く、裸足で走り回る子供たちでも転びにくいメリットがあるのです。また、衝撃を和らげる効果があるので人やペットの足にやさしいのも特徴です。
フローリングはワイパーなどで掃除がしやすいというメリットがあるものの、靴下ではとくに滑りやすいという欠点があります。滑りやすい床は人にとって危険というだけでなく、飼っているペットにとっても危ないでしょう。小さな子供がいたり、ペットを飼っていたりする家なら、コルクの床材を敷き、滑りにくく安全性を高めておくことがおすすめです。
参照https://hapisumu.jp/floor-merideme-a057081/
2-3.遮音性が高い
コルクの床材は、遮音性に優れています。コルクには弾力性があるため、何か固いものを落としても衝撃を吸収し、音を響きにくくさせるのです。
例えば、間取りの都合で2階の子供部屋の下に寝室をつくることになった場合、下にいる人は子供の足音が非常に気になるでしょう。マンションと違って戸建ての場合、2階の人が鉛筆を床に落としただけでも、下の部屋に音が響くこともあるのです。こうしたケースは子供部屋にコルクマットを敷くだけでも、だいぶ音を遮断することができます。
2-4.コルク床材はエコともいえる
コルク床材は、天然木から採取するので、環境面において心配だといわれる時期もありました。しかし、コルクはコルクガシの木を伐採して作るものではありません。コルクは樹皮からできており、樹齢30年ほどを迎えた大人の木から樹皮だけを取って作ります。
しかも、コルク輸出量が世界一のポルトガルでは、同じ木からは9年に1度しかコルクをとってはならないという規定があります。コルクガシの寿命は200年にも及ぶことがあり、木を育てながらコルクの原料を取れるというメリットがあるのです。コルクはプラスチックのように石油を使って作られることないため、とても環境に優しい商品として注目されています。
参照https://www.m-portugal.jp/portugal_life/074.html
3.コルクの床材のデメリット
とても利便性の高いコルクの床材ですが、利用するにはやや注意点もあります。床材として利用する際には、コルクのデメリットも知って上手に付き合っていきましょう。
3-1.臭いが強い商品もある
コルクの床材は、通販などで1畳から簡単に購入することもできます。こうした商品は「コルクマット」ととも呼ばれ、パズルのようにして組み合わせて使うことも可能です。
しかし、一般的なコルクマットの場合、樹脂製接着剤を使用して安価に製造されていることも多いです。商品によっては、この樹脂製接着剤の臭いがきつく、床に敷くことにより部屋全体が臭うといったこともあるので注意しましょう。コルクは輸入品が多いものの、国産品を選ぶと接着剤が使われていないものもあります。天然素材をうたった商品を選べば、コルク本来の芳香を楽しむことも可能です。
参照https://www.nagayanagi.co.jp/mat.html
3-2.反り返るものもある
あまりにも薄いコルクマットを選ぶと、床材として利用しているうちに「反り返る」といったデメリットおあります。コルクマットの多くはコルクとスポンジが一体化しており、それを床に置くことによりずれにくくしているのです。しかし、コルクとスポンジの場合、コルクが徐々に収縮して、結果的にマットが反りかえるといったデメリットもあります。こうなるとつまづく原因にもなり、怪我をしやすくなってしまうのです。
長期間コルクの床材を敷く場合は、安価なものを自分で敷くより、業者を呼んで専用のコルクフローリングを設置してもらった方が賢明でしょう。
3-3.跡が残る
コルクの床材は、フローリングに比べると弾力性があります。そのため、床材のうえで転んでも衝撃をやわらげ、怪我をしにくいというメリットがあります。しかし、衝撃をやわらげるということは、重いものを長期間置いておくと、その場所がへこんでしまうというデメリットもあるのです。
子供が遊ぶスペースだけコルクマットを敷く、といった使い方なら良いのですが、部屋全体にコルクマットを敷き詰めて家具を並べるとなると、家具の場所はへこむ可能性が高いです。へこんで跡が残るということは、地震のときに設置している家具が不安定になることも考えられます。コルクの床材を設置する際は、跡が残るリスクや、安全性も考慮して設置する必要があるでしょう。
まとめ
コルクの床材は、フローリングとは違い、弾力性や保温性があるので、小さな子供やペットがいる家庭にはピッタリです。天然木から作られているため、見た目にもぬくもりがあり、簡単に交換がしやすいというメリットもあります。商品のなかには自分で設置できる小さなコルクマットもあるので、まずは2階の音を遮断したい、などといった際に、気軽に取り入れてみてはどうでしょうか。