めったに着る機会のない、大切な「礼服」や「着物」の保存法とは

礼服や着物など、一年に一度程度しか袖を通さない洋服は、多くの人が持っていると思います。しかし、年に一度しか着ない洋服だからこそ、ただクローゼットやタンスの中に入れておくだけで、上手な保存ができていない、ということはありませんか?

ずさんな保存方法は、洋服や着物にシミや虫食いといったトラブルを引き起こしてしまいます。ここでは、礼服や着物などの衣類における長期保管の方法を詳しく紹介します。

1.長期保存している着物や礼服、そのトラブル

断捨離がブームになっている現在、不要な洋服を処分している人も多いでしょう。しかし、着物や礼服は、そう簡単に処分できるものではありません。そのため、クローゼットのなかにかさばるようにして保存している人いるかと思います。しかし、間違った洋服の保管方法をしてしまうと、次のようなトラブルが生じてしまうのです。

1-1.虫食い

虫食いトラブルはどのような服であっても起こります。1年以上タンスの中に放りっぱなしの洋服は、高い確率で虫食いされてしまうでしょう。特に、ウールなどの天然繊維では虫食いされやすく、スーツやコートは被害にあいやすいです。しかも、一度虫食いで穴が開てしまった礼服や着物は、専門業者へ持って行かないと太刀打ちできません。その修理費用はとても高くなるケースが多いので、虫食いされるまえに対策を打つ必要があります。

虫食い対策の有効な方法は「防虫剤」と「風通しを良くする」ということです。着物と礼服では少々やり方が違うので、のちに詳しく紹介します。

1-2.茶色いシミ

真っ白いブラウスを出したら、なぜか一部に茶色いシミが付いていた、なんていうことはありませんか?これはシーツやタオルでも起こる現象であり、冬に使うシーツを半年ぶりに出したら、茶色い斑点のような模様が付いていた、なんていうケースも見聞きします。

茶色いシミの原因は「カビ」であるケースが多いです。服や着物にカビが発生し、そのまま放置することでカビが死んで酸化し、その形跡として茶色いシミが残ってしまうのです。また、「以前の汚れが残っていて茶色に変色した」ということも考えられます。気付かないような汚れが付着して、それを放置することにより、シミが酸化して茶色になってしまうのです。

いずれにせよ、茶色シミは気づいたときにはなかなか落とせない場合が多いです。タオルやシーツなら漂白剤で対応できることもありますが、礼服や着物はクリーニング店で対応してもらわないと無理であり、別途高い料金が発生するのが一般的です。そのため、保存するときにシミをつけないようにするのが重要なのです。

1-3.変色

長期間洋服を保存しておくと、なんだか色がくすんでいってしまうこともあります。特に変色した着物は見た目が悪く、着るのをためらってしまうこともあるでしょう。

変色の原因になるのは大きく分けて3つの原因があります。まずは「日光による色落ち」です。そして「金属と保管することによる化学変化」も色落ちの原因になります。そして最も多いのが「湿気による色落ち」です。湿度がある場所での着物や洋服の保管は、虫食いを引き起こすことにもなります。湿度は洋服の長期保管における大敵といえるでしょう。

2.覚えておきたい!着物の上手な保存方法

まずは着物の上手な保管方法について見ていきましょう。着物は時代を問わず使うことができるため、近年冠婚葬祭において人気がでてきました。ポリエステル素材といった保存のしやすい着物もありますが、成人式などで着用した着物は高級品であり、長期間保存するのが難しいこともあります。

2-1.着物をしまうまえに「風通し」をしよう

結婚式や卒業式などがあり、年に2~3回同じ着物を着る機会があったとします。そのようなときは、毎回クリーニングには出さず、そのまましまってしまう人もいるでしょう。

しかし、着物は着用したあとに必ず「風通し」をすることが大切です。風通しは着物専用の「着物ハンガー」を使い、新鮮な空気を着物取り入れてあげましょう。特に、夏場は着物も汗を吸っているので、風通しが重要です。固く絞った濡れタオルで汗が付着した部分を拭き、そのあと風通しを行うことでシミの予防にもなります。風通しはシミの予防だけでなく、シワを伸ばす効果もあるので、必ず行いましょう。

2-2.着物は「たとう紙」に包んで保管する

着物を購入すると、かならず半紙のような紙に包まれていることが一般的です。これは「たとう紙」と呼ばれ、着物を保管するときに使う必要があります。

たとう紙は和紙素材でできた紙であり、着物を包むことにより「カビ防止」「しわ予防」になります。通気性が良くて吸湿性に優れているので、そのまま着物をタンスに入れるよりきれいに保存することができるのです。ただ、何年も包んだままいれっぱなしにしてしまうと、カビが発生することもあります。なるべく1年に1回くらいはたとう紙を取り替えるようにしましょう。

2-3.着物用の防虫剤を1種類使う

着物を長期保管する際に、必要なのが「防虫剤」です。これは、とくに1年以上着物をタンスに入れっぱなし、というケースには必要不可欠でしょう。着物は素材上虫食いにあいやすいので、タンスに入れておく必要があります。

防虫剤はいろいろな種類があるものの、なるべく「着物用」の防虫剤を使うようにしましょう。着物用防虫剤は、乾燥剤も含まれていることが多く、虫食いと同時に着物をカビから守ってくれる作用があります。しかし、一般的な洋服用防虫剤を何種類か併用してしまうと、化学反応を起こしてシミが出てしまうこともあるので要注意です。防虫剤を使う際は1種類に限定し、着物や帯に直接触れないようタンスの隅に入れておきましょう。

2-4.新鮮な空気に触れさせよう

着物を保管する上で大切なのが「虫干し」です。虫干しは江戸時代から行われているものであり、乾燥している11月~2月ごろの、4~5日晴天が続いた風のない日に行うのが理想的です。着物を着物ハンガーにかけ、直射日光に触れさせないよう、陰干しを行いましょう。こうすることでカビや虫食いかを予防し、長期間の保管が可能になります。

ただ、その手間が面倒といった方も多いでしょうそのような場合は、タンスを開いて空気の入れ替えを行うだけでも構いません。一番良くないのが1年以上タンスを閉めっぱなし、というケースです。半年に一度はタンスを開け、着物に新鮮な空気を触れさせましょう。

3.着物以外の礼服、その保存方法

次はセレモニースーツなどの礼服における保管方法を紹介します。着物よりかは場所も取らず、ハンガーにもかけやすい礼服ですが、これにもいくつかの注意点があります。

3-1.クリーニング後は必ずビニールを外す

礼服の場合、着用後はクリーニングに出す人も多いでしょう。しかし、クリーニングに出したあと、ビニールをかけたままクローゼットにしまうのは良くありません。

ビニールをかけたままの礼服は、なかで湿度がこもりやすく、カビやシミの原因になります。必ずビニールを外し、できれば陰干しを行って湿気を取り除くことが重要です。

3-2.陰干しをして新鮮な空気を取り込む

意外かもしれませんが、礼服にも着物と同様に陰干しが必要です。除湿剤や防虫剤を入れたクローゼットでも、梅雨時期にはどうしても湿気がこもります。そのため、カラッとした日を狙い、風通しのよいところで陰干しを行うのが大切です。こうすることで繊維に新鮮な空気を送りこみ、カビやシミを防いでくれるでしょう。また、直射日光は変色の原因になるので避けましょう。

3-3.久しぶりの礼服はアイロンでプレスしよう

長期間保存している洋服は、たたみシワや吊るしジワができてしまうことが多いです。いくらお手入れをしても、吊るした状態の形が残っていると、着たときにみっともない印象が残ってしまうでしょう。

そのため、久しぶりに袖を通す礼服は、アイロンでプレスしてからの着用がおススメです。スチームアイロンの蒸気を軽く当てるだけでも、できてしまったシワを軽く伸ばすことができます。また、シワができないよう、ギュウギュウに詰めて保管しないのも大切です。クローゼットのなかで洋服が詰まっていると、湿気もこもりやすく虫食いの原因にもなります。あまりにも量が多いと感じたときは、本当に必要な礼服だけを厳選して選ぶ断捨離を行うのも良いでしょう。

まとめ

礼服や着物は、年に1回程度しか着用しないということもあるでしょう。そのため、クローゼットやタンスに長期間しまいっぱなし、ということも考えられます。しかし、高級な着物や礼服ほど、長期間の保存にはお手入れが必要です。生地は生きていると考え、虫食いやシミが付かないよう、定期的な陰干しを行うことが大切なのです。上手に保存することは洋服や着物を大切に使うことにもなり、世代を超えて着用できることにもなるでしょう。

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