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2018.01.09

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大切な陶器が生まれ変わる!?すばらしい修復技術の「金継ぎ」とは

自分が大切にしている食器はありますか?陶器市で出会った作家物の器、旅先で買ったガラスのコップなど。たくさんある食器の中でも、思い出深い食器はいくつかあるものでしょう。

しかしどんなに大切に使っていても、ひょんなことで割ってしまうこともあるでしょう。直せるものなら直してずっと手元に置いておきたい…。そんなときにおすすめなのが「金継ぎ」と呼ばれる昔から伝わる器の修復方法です。金継ぎされた器は金箔のラインが特徴的であり、以前とは違った味わい持って食器としての存在を高めてくれます。

1.食器があふれる時代、でも大切なものがある

いまや100円ショップにいけばどんな食器も手に入る時代です。こんなに大きなものが、こんなに立派に見える食器が100円で買える時代。昔に比べると食器に対する思い入れも少ないかもしれません。

しかし食器の中には大切な思い出が込められたものもあるでしょう。その食器を見るだけでもらった相手の顔が思い浮かぶもの、購入したシーンが思い浮かぶものなど、家に大切な食器はきっと一つはあるはずです。

1-1.思い出の食器どはどんなもの?

気軽に食器が手に入る時代ですが、「これは捨てられない」といった食器はどのようなものがあるのか、民間の企業アンケートをもとにいくつかピックアップしてみました。

  • 子供のころから使っているカレー皿
  • 嫁いだときにもらったお茶碗
  • 思い出のお弁当箱
  • 旅行先で買ったマグカップ など

どの食器も昔の思い入れがあるものが多いようです。中には30年以上大切に保管しているといった食器もあります。似たような食器はたくさん売っていても、やはり思い入れのある食器は世界で1つしかないものとして大切に保管している人が多いようですね。

1-2.割れてしまったらどうする?

そんな思い入れのある食器、しかし長年使っていると割れたり欠けたりすることも多いようです。そのような場合、みなさんどうしているかも調べてみました。

  • 縁起が悪いので処分する
  • 少しの欠けやヒビなら保管しておく
  • 接着剤などで自分で補修する
  • 少しのヒビなら、自分用の食器として使い続ける

食器のヒビや欠けは縁起が悪いものとして、仕方なく処分する人が多いようです。しかし潔く捨てるのではなく、「もったいないけれど」「泣く泣く」といった心境で大切な食器を処分しているケースが多いです。それを裏付けるように、少しのヒビや欠けなら保管したり使い続けたりする人も多数いました。

参照 読売オンライン 発言小町より http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2008/0513/183164.htm

1-3.修復して使い続ける方法もある

大切な食器が割れてしまった場合、仕方なく処分する人が多いようです。確かに割れたり欠けたりした食器を使い続けることは危険です。大丈夫と思って使い続けているうちに、洗っている最中に割れて手に大けがを負うケースもあります。そう考えると無理に使い続けたり、安易に接着剤で修復したりすることは危険と言えるでしょう。

そんな時こそ「金継ぎ(きんつぎ)」を利用しましょう。金継ぎは日本古来からある伝統的な食器の修理方法です。これを施すことにより割れてしまった食器も安心して使い続けることができます。

2.ガラスや陶器を修復する「金継ぎ」とは

金継ぎとは、割れたり欠けたりした食器を「漆(うるし)」で接着し、くっつけた部分を「金」で装飾する修理方法です。つなぎ目部分は金があえて目立つデザインとなり、伝統的でスタイリッシュな器に生まれ変わります。

2-1.具体的な金継ぎ方法とは

もう少し具体的な金継ぎ方法を見ていきましょう。例えば割れてしまったお茶碗を例に見てみます。

  1. 割れた茶碗のパーツを集め、セロテープなどで覆います
  2. 接着部分に漆をぬります。
  3. 破片を漆ではり合わせ、元の形に戻します。
  4. 漆が乾いてくっついたら、断面からはみ出ている漆を細かく削っていきます。
  5. 漆を塗った断面に金の粉をまいて、しっかりと密着させます。
  6. 再び乾燥させ、断面をやさしくペーパーサンドで拭いていきます。
  7. 全体的に器を磨いて完成です。

金継ぎは時間が掛かり、乾かす期間を入れると1ヶ月程度掛かることも多いです。欠けたりヒビが入ったりしている程度のものは修復も簡単ですが、まっぷたつに割れていたり、かけた破片が足りないといった食器は時間と手間が掛かります。金継ぎによる値段は頼む業者などによっても違いますが、小さな割れやヒビはおよそ5千円前後、割れていたり複合的なヒビが入っていたりする場合はおよそ1万円ほどの修理費が掛かります。

2-2.どの素材が金継ぎできる?

金継ぎによって修復できる素材は次のようなものです。

  • 陶器
  • ガラス
  • 木器(種類にもよる)
  • 漆器(時間と手間が掛かる)
  • プラスチック

プロの職人による金継ぎを希望する場合、とても小さな修復作業でも5千円程度かかることが多いです。そのためプラスチック素材や安価なガラス素材を金継ぎする人は少ないです。金継ぎをお願いする多くの場合は陶器の食器が多く、思い出の食器や高額なものの修復を依頼する人が増えています。

2-3.金継ぎした後の注意点

金継ぎした後の食器はいくつかの注意点もあります。

  • 電子レンジの使用は不可能
  • 食洗器、乾燥機も不可能
  • 直火も避けること
  • クレンザー、研磨剤で洗ってはいけない
  • 漂白剤も避ける

こう聞くと、金継ぎした後の食器はかなりデリケートに扱わなくてはならないと思うかもしれません。しかしレンジや食洗器を避ける以外は、普通の食器と同様に取り扱って大丈夫でしょう。逆に時間と手間をかけて修復した食器に対し、ぞんざいに扱うことはできなくなるようです。

3.金継ぎは自分でもできる!

とても高度な技術が必要に見える金継ぎですが、実は自分で行うこともできます。またプロに頼むとほんの少しのヒビ割れに対しても高額な値段を取られてしまうため、修復をあきらめてしまうこともあるようです。そんな時こそ自分で金継ぎに挑戦してみましょう。

3-1.金継ぎを習おう

実は金継ぎの技術は、ここ数年でとても注目されています。とくに外国の人からの評判は高く、「KINNTSUGI」といった日本語そのままの読み方で海外でもその技術が広がっています。外国人の方に向けたワークショップでも金継ぎの技術が紹介されていることが多いです。

では金継ぎはどこで習うことができるのか、それは大きく分けて4つのジャンルがあります。

  1. 学習支援サービス (カルチャーセンター、文化センターなど)
  2. 漆屋(漆食器を扱う店、伝統工芸品など)
  3. 陶器店(陶芸教室など)
  4. 個人教室

陶芸教室やカルチャーセンターなどで行われている金継ぎ教室は、大体4~5回のレッスンで終了ということも多いです。料金も安く「簡易金継ぎ」としたスタイルで行われています。使う材料も本漆ではなく、パテや樹脂などで代用されることが多いでしょう。とりあえず家庭にある食器をオシャレに修復したい場合は、簡易的な金継ぎを指導してくれる教室で十分かもしれません。

 

3-2.「金継ぎキット」もある

高度な技術が必要に見える金継ぎですが、それほど高価な食器を修復するのでなければ「金継ぎキット」といったものを購入することもできます。基本的に金継ぎで使う材料は次のようなものになります。

  • 木の粉
  • 細かい土(砥の粉)
  • 小麦粉
  • 金属粉(金粉)

必要材料は少ないものの、いざ購入しようとなるとスーパーでは手に入りにくいものばかりです。しかしネット通販や大型雑貨店、手芸店では上記のような材料が「金継ぎキット」として売られています。この他にも「ヘラ」「小筆」「作業板」「ゴム手袋」などがあれば準備万端です。キットの多くは金継ぎの使用方法も詳しく書かれているので、初心者でも安心して取り組むことができます。

 

まとめ

何の食器でも簡単に手に入ってしまう時代ですが、思い入れのある食器はずっと長く使いたいものです。使い続けることで割れたり欠けたりすることもあるかもしれませんが、そんな時は金継ぎの技術を思い出し、ぜひ修復してみましょう。自分でできる金継ぎキットは、初心者でも手軽に食器の修復ができます。逆にプロに頼む金継ぎ作業は、値段は高いものの出来上がり技術はすばらしく、味わいの深い食器に生まれ変わります。すぐに食器を買い替える前に一度立ち止まり、ずっと必要とする食器は何かを考え、金継ぎ技術を利用してみるのも良さそうです。

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